植田朝日がCORAZÓN初の海外挑戦にシンガポールサッカーとFCジュロンを選んだ理由とは?

先日発表されたFCジュロンの新ユニフォーム。胸元には、日本のサポーターカルチャーを牽引してきた植田朝日が立ち上げたブランド「CORAZÓN」の文字が刻まれていた。

FCジュロンと聞いてピンとこない人もいるかもしれないが、昨シーズンまでアルビレックス新潟シンガポールというチーム名で活動し、今シーズンからシンガポールでのさらなるローカル化、地域密着を掲げ、チーム名をFC Jurongへ変更し、元日本代表の本田圭佑が加入し話題になっている。

そのFCジュロンは今シーズンから「CORAZÓN」と公式アパレルパートナーを発表。ブランドの創設者であり、日本サポーターのパイオニアである植田朝日が、なぜあえてシンガポールとFCジュロンを選んだのか——CORAZÓNの挑戦の裏側に潜む想いを聞いてみた。

目次

私がシンガポールで新しい挑戦を始める理由

このたびCORAZÓNは、シンガポール・プレミアリーグのFC Jurongとオフィシャルアパレルパートナー契約を結び、ユニフォームをはじめとするチームアパレルを担当することになりました。

本当に嬉しく思っています。

そして、私の会社が一つのプロサッカークラブのオフィシャルサプライヤーとして、ユニフォームやクラブづくりに本格的に携わるのは、今回が初めての挑戦です。

そこで今回は、なぜ私がシンガポールを選び、なぜFC Jurongとともに歩むことを決めたのか。

そして、CORAZÓNがこのパートナーシップを通じて何を実現したいのかを、私自身の言葉でお話ししたいと思います。

40年以上、サッカーとともに生きてきた

まずは、私自身の話を少しさせてください。

私は40年以上、サッカーファンとして生きてきました。

これまで世界100か国以上を旅し、世界中のスタジアムで数え切れないほどの試合を見てきました。

1992年には、アジア初となるウルトラスを立ち上げ、
それから30年以上、私は12番目の選手であるサポーターとして、ほとんどの日本代表戦を最前線で応援してきました。
もちろん今大会も。

ワールドカップには、1990年のイタリア大会から10大会連続で現地へ足を運んでいます。

クレイジーでしょ!笑

でも、それくらい私はフットボールを愛し、人生のほとんどをフットボールとともに生きてきました。

今、私が注目しているのは東南アジア

今、私が注目しているのは東南アジア

そんな私が近年、特に注目している地域があります。

それが東南アジアです。

この地域のサッカーに対する情熱や成長については、以前からJunpiter Futbolのコラムでも何度か書かせてもらいました。

東南アジアでは、代表チームも国内リーグも、サッカーを取り巻く環境も大きく変わろうとしています。

スタジアムには熱狂的なサポーターが集まり、各国のクラブは、それぞれの地域に根づいた文化を作り始めています。

これまで東南アジアからワールドカップ本大会に出場した国はありません。

しかし、ワールドカップの出場国数が拡大した現在、この地域から初めて本大会へ進む国が誕生する日は、決して遠くないと私は考えています。

今まさに成長の途中にあり、大きな可能性とエネルギーを持っている地域。

だから私は、東南アジアサッカーの発展のために、自分の経験を使って何かできないかと考えるようになりました。

日本だけが強くなればいいわけではない

現在、日本はアジアサッカーをリードする国の一つになりました。

多くの日本人選手がヨーロッパのトップリーグでプレーし、日本代表も世界の強豪国と互角に戦えるところまで成長しています。

しかし、ワールドカップでは、いまだノックアウトステージの最初の壁を越えることができていません。

私は、日本だけが努力し、日本だけが強くなれば、それでいいとは思っていません。

日本がさらに上のステージへ進むためには、アジア全体のレベルアップが必要です。

アジアの中に強いライバルが増え、厳しい競争が生まれることで、日本もさらに成長していくことができます。

東南アジアサッカーの発展は、その地域だけのものではありません。

それは日本を含めた、アジアサッカー全体の未来につながっていると私は考えています。

だからこそ私は、東南アジアサッカーのボトムアップに少しでも貢献したいと思ったのです。

なぜシンガポールだったのか

シンガポールは、世界に開かれた国です。

さまざまな国籍や文化、宗教、言語を持つ人々が共存し、一つの社会を作っています。

その環境は、CORAZÓNが大切にしている、

「フットボールを通じて、人と人、文化と文化をつなぐ」

という考え方と、とても相性がいいと感じました。

フットボールには、言葉や国籍を越えて人々をつなぐ力があります。

私は世界中を旅して、そのことを何度も目にしてきました。

日本のCORAZÓNがシンガポールのクラブとともに活動することで、日本とシンガポールの間に、新しいフットボールの橋を架けることができる。

私は、そこに大きな可能性を感じています。

なぜFC Jurongだったのか

FC Jurongは、これから新しい歴史を作っていくクラブです。

クラブと話をする中、ただ試合に勝つことだけではなく、地域とともに成長し、クラブ独自の文化を作っていこうとする姿勢を強く感じました。

新しいクラブだからこそ出来ることがあると思います。

私は、完成されたクラブに商品を提供するだけではなく、クラブのアイデンティティやカルチャーそのものを一緒に作っていくことに魅力を感じました。

CORAZÓNは、FC Jurongのユニフォームにロゴを掲載するだけのスポンサーではありません。

このクラブがこれから歩んでいく冒険に参加し、一緒にクラブの歴史を作るパートナーになりたい。

それが、FC Jurongと契約を結ぶことを決めた大きな理由です。

ユニフォームを作るだけではない

もちろん、私たちはオフィシャルアパレルパートナーとして、選手たちが誇りを持って着ることのできるユニフォームやチームアパレルを作っていきます。

しかし、私が本当にやりたいことは、服を作って納品することではありません。

選手、監督、スタッフ、クラブ関係者、地域、そしてサポーター。

そのすべてを含めて、FC Jurongのフットボールカルチャーを作るお手伝いがしたいと思っています。

私は40年以上、世界中のスタジアムとサポーター文化を見続けてきました。

強いチームを作ることは、もちろん重要です。

しかし、魅力的なクラブを作るためには、ピッチの中だけではなく、スタジアムや街にも熱が必要です

スタジアムに一歩足を踏み入れた瞬間に感じるワクワク感。

試合前から街に漂う特別な雰囲気。

選手とサポーターが一つになる瞬間。

勝っても負けても、また次の試合に行きたくなるクラブ。

そうした体験や文化を、FC Jurongと一緒に作っていきたいと思っています。

そして、私が世界中で見て、感じ、学んできたサポーター文化をシンガポールに伝えたい。

ただし、それをそのまま持ち込むのではありません。

シンガポールの人々や街、文化に合う形へアジャストし、ここにしかないフットボールカルチャーを一緒に作っていきたいと思っています。

そして、シンガポールで生まれた新しいカルチャーを、今度は日本にも紹介したい。

CORAZÓNが、日本とシンガポールのフットボール文化をつなぐ、そんな架け橋になれたら最高です。

本田圭佑の加入。なんてアメージングなんだ

私たちがFC Jurongとともに、この新しい冒険を戦うことを決めたあと、日本のスーパースター、本田圭佑の加入も決まりました。

なんてアメージングなんだ。

これほど刺激的なタイミングはありません。

世界の舞台で戦い、日本代表を長年背負ってきた本田圭佑が、この新しいプロジェクトに加わる。

日本人である私にとっても、とても特別なことです。

しかし、もちろん、この挑戦は一人のスターだけで作られるものではありません。

チームに関わるすべての選手、スタッフ、クラブ関係者、そしてサポーターが一つになることで、初めて大きな物語が生まれます。

本田圭佑の加入によって、FC Jurongだけではなく、シンガポールサッカー全体に、これまで以上の注目が集まることを期待しています。

東南アジアの他の国々への展開

今回、CORAZÓNにとってシンガポールでの挑戦が始まりました。

そして将来的には、マレーシア、タイ、インドネシアをはじめ、東南アジアの他の国々でも活動していきたいと考えています。

ただし、私たちの目的は、契約クラブの数を増やすことではありません。

CORAZÓNと同じ価値観を持ち、一緒にクラブや地域の文化を育てていけるパートナーと出会えた時に、新しい挑戦をしていきたいと思っています。

それぞれのクラブには、それぞれの街があり、歴史があり、サポーターがいます。

私たちのデザインを一方的に押しつけるのではなく、そのクラブにしかない物語を理解し、それをユニフォームやアパレル、コンテンツとして形にする。

そんな仕事を、東南アジアのクラブと一緒に増やしていきたいと思っています。

CORAZÓNが目指す未来

CORAZÓNの最終的な目標は、世界中のクラブと、そのクラブを愛する人たちをつなぐ架け橋になることです。

私たちは、単にスポーツ用品を作ることだけを目的としているわけではありません。

まずはユニフォームやアパレルを通じて、そのクラブの歴史、街の文化、サポーターの情熱を世界へ伝える架け橋になりたい。

日本とシンガポール。

シンガポールと東南アジア。

そして、東南アジアと世界。

CORAZÓNを通じて、これまで出会うことのなかったクラブやサポーターたちがつながり、そこから新しいフットボールカルチャーが生まれる。

それが、私たちの目指している未来です。

FC Jurongとのパートナーシップは、その大きな夢へ向けた最初の一歩です。

CORAZÓNは「13番目の選手」になる

私はこれまで、12番目の選手と呼ばれるサポーターとして、ゴール裏から選手たちを支えてきました。

だから今度は、CORAZÓNとして、その12番目の選手であるサポーターまで支える存在になりたいと思っています。

選手。

監督。

スタッフ。

クラブ関係者。

そして、クラブを愛する12番目の選手であるサポーター。

そのすべてを支える、13番目の選手として、CORAZÓNはFC Jurongとともに戦っていきます。

この挑戦は、まだ始まったばかりです。

これからFC Jurongに関わるすべての人たちと一緒に、新しい歴史を作れることを心から楽しみにしています。

最後に、シンガポールサッカーファンのみんなへ

そして最後に、一つだけ伝えておきたいことがあります。

今回、私はFC Jurongのパートナーになりました。

しかし、それによって、シンガポール・プレミアリーグの他のクラブが嫌いになったり、敵になったわけではありません。

そこは、みんな勘違いしないでくれよな(笑)。

実は私は、ファンディ・アーマドが現役でプレーしていた時代から、シンガポール代表のサッカーを見ています。

私が初めてシンガポール代表を見た頃、ピッチにはファンディ・アーマドがいました。

つまり私は、今回のパートナーシップが始まるずっと前から、シンガポールサッカーに興味を持ってきたということです。

これからもシンガポール代表を応援します。

そして、シンガポール・プレミアリーグのすべてのクラブと、そのクラブを支えるすべてのサポーターにリスペクトを持っています。

ライバルがいるから、リーグは面白くなる。

リーグ全体が成長するからこそ、FC Jurongも成長することができます。

私はFC Jurongとともに戦います。

しかし同時に、これまで以上にシンガポールサッカー全体に興味を持ち、その成長を応援していきたいと思っています。

だから、シンガポールのフットボールファミリーのみんな。

これからもよろしくね。

This is only the beginning.

スタジアムで会いましょう。

植田朝日|Asahi UEDA
CEO, CORAZÓN

植田朝日プロフィール
日本代表サポーター集団「ウルトラス・ニッポン」の中心人物であり、サッカーカルチャーブランド「CORAZÓN」創設者・プロデューサー。メディア出演やコラム執筆、イベントプロデュースなど多方面で活躍中。

写真提供:FC Jurong, Junpiter Futbol, Asahi Ueda

*この記事はJunpiter Futbolと共同企画で記事を制作しています。
http://www.junpiterfutbol.com/

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